昨日、教育新聞社の取材の仕事で、(たぶん)今、日本一有名な校長先生、前・麹町中学校校長の工藤勇一さんと、東京大学先端科学技術研究センター教授で異才発掘プロジェクトRocketディレクターの中邑賢龍(なかむら・けんりゅう)さんのオンライン対談イベントに参加しました。※自宅からzoomで。
コロナによって今までの「当たり前」が崩され、「新しい当たり前」が再構築されつつある現在、社会や学びはどのようになっていくべきかを話し合うものだったのですが、その中で重要テーマとなっていた「自律的学習者」(=つまり、自分で目標を設定してそこに向かって主体的に行動して学んでいくことができる人)について、考えてみました。
「自律的学習者」って具体的にはどういう人
「自律的学習者」(=つまり、自分で目標を設定してそこに向かって主体的に行動して学んでいくことができる人)って、小学生くらいの年齢で具体的に人物像をイメージしようとするとなかなか難しい。
身近に「自律的学習者だなぁ〜」と思う子供のロールモデルがいないからでしょうか。
日本の教育で自律的学習者は育たない?
確かに理想はそうですね〜。
日本の教育は寺子屋の成功体験を引きずっていて(?)、1人の先生(=知識を持っている人)が大勢の生徒(=知識を持っていない人)に、一方的に知識をインプットする、というTHE先生スタイルで授業を行ってきました。今現在も多くの学校がそうだと思います。
ティーチャー(先生)ではなくラーニング・ファシリテーター(学びのサポート役)というような考え方は、最近、やっと日本でも始まってきています。※北欧では何十年も前から取り組んでいるそうですが
日本では、それが本当に実現されている学校は、まだまだめっちゃ少ないです。
例えば、長野県に2019年に新設されたしなのイエナプランスクールは、「実現できている学校」の数少ない例の1つ。オランダのイエナプランを本格的に取り入れた初めての学校で、この学校には「先生」はいない。校長ですら「スクールリーダー」と名乗っているそうです。この学校に子供を通わせるために、教育移住しちゃうご家庭も多いというのは、そういう先進性があるからなんだと感じています。
23区内の公立小学校には、「ラーニング・ファシリテーター」の先生はなかなかいないんじゃないかな?!
なるほど。
先生の努力は教室では報われる一方で、学校外ではやっていけない子になってしまうという構造なのですね。(涙)
ちなみに、日本の教育は国内ではダメだと叩かれることも多いのですが、実は世界各国からの評価はそんなに悪くない。
なぜなら、「基礎知識をすっごい人数の国民に一斉に教えるコスパの良さ」では圧倒的に世界No.1だからです。
GDPや国民の人数に対する公費支出は先進国で最低額なのにも関わらず、ひらがなが読めなかったり足し算のできない大人はいないし、PISAという全世界の子供達が受ける一斉テストでは、これまでずーっと上位にランクインしています。
と言われてたりするんですよ。実は。
しかし、コスパの良さを追求した(のか分かりませんが)結果、子供達は「やりたいことを自分で見つけて主体的に学んでいくこと」ができなくなってしまったんですね。(涙)
不登校児童はコロナ休校の余波を受けていない
確かにっ!!当たり前ですが、もともと不登校だった子は、学校が休校になっても関係ないですよね。コロナ以前から、学校という枠にとらわれずに、自分で何かを見つけて過ごしていたのでしょうから。
なるほど。。
コロナ禍で、世の中的にも不登校児童向けのホームスクーリングが注目を集めているのは、そういう意味もあるんですね。
楽しく不登校ライフを送っていた子供達こそ、自律的学習者のロールモデルの1つだと分かりました。
_φ(・_・ アフターコロナでも、選択的不登校(=つまり、たまに学校を休んで好きなことをさせる時間を確保する)は、子供の自律性を鍛えるためには有効かもしれませんね。
子供は本来みんな「自律的学習者」
日本人はみんな「社会的当事者意識」が無い?!

こちらをご覧いただくと分かる通り、日本の若者は、各国の若者に比べて、社会に対する当事者意識がすっごく希薄であるということが一目瞭然です。
皆さんもどうですか?
「自分で国や社会を変えられると思いますか?」という質問に、Yes or Noで答えるとしたら?
そんな大人を見て育っていたら、、、うーむ。。
子供だけの問題ではなく、社会全体の「当事者意識」を高めていかないとあかんのですな!!
子供の自律性を取り戻すにはどうしたいいの?
コロナ休校中、家で朝から晩までダラダラとゲームをしたりyoutubeを見続けている子供達に、「自律的学習者」(=つまり、自分で目標を設定してそこに向かって主体的に行動して学んでいくことができる人)になってもらいたい・・・。
というのは、無理な話でしょうか?なんとか手立てはあるのでしょうか?
そもそも親子関係が破綻してるケースは難しい
「何を言っても聞かない」→この言葉は、小学生以上のお子様をお持ちの保護者から、本当によく聞きますし、その様子は容易にイメージできます。
うちはまだ4歳+6歳なので、「破綻」までいっていないと思いますが、、、でも、明日は我が身です。(><)
ほぅ!!_φ(・_・
「それをする理由」という視点は持っていなかったので、中邑教授のその言葉は目からウロコでした。
なるほど〜。
言っても聞く耳持たなくなった場合は、親は自力で頑張ろうとするのではなく、子供が信頼できると思える大人を外部に求めていくことが有効なんですね。
子供の自律性を取り戻す3つの言葉のリハビリ
工藤先生いわく、子供の自律性を取り戻していくためには、子供自身が自分で考えて自分で決定していく経験を積ませること。
具体的には、以下のような声がけフローを徹底して繰り返していくことが有効だそうです。
- 「今、どんな状況?」「何か困っていることはない?」(=自分をメタ認知)
- 「あなたはどうしたいと思う?」(=自己決定)
- 「私(=大人)に何か手伝ってもらいたいことはある?」(=他者支援を仰ぐ)
_φ(・_・ なるほど、なるほど。
いきなり大人から「こうしたらいいんじゃない?」と解決策を与えないことが大切なんですね。
自分で考えさせて、自分で行動させる。大人はそれをサポートしてあげるっていうサイクルですね。
自律性の奪還は「牛歩」の構えで
3つの言葉のリハビリは、どのくらいで効果が現れるでしょうか?
一朝一夕に効果が出ない前提で、根気強く取り組まないといけないってことですね。
牛歩の構えが必要のようです。
「ありのままの自分を受け入れる」ということは、「今の状態は今の状態としてまぁ良し!」と、まずは自分をハグしてあげる気持ちになるってことですかね。
その上で、「さぁ、ここからどうしていこう?!」と考えていくステップの刻み方が重要ということ。
自律性奪還に向けた取り組み方法まとめ
- 自律性の奪還は牛歩の構え(=ゆっくり取り組もう)
- 親自身もありのままの自分を受け入れるところからスタート
- 3つの言葉を使ってリハビリ
ちなみに、3つの言葉のリハビリは、自分自身(=親自身)へのセルフコーチングにも大変良いと感じます!
大人の自律性と当事者意識を高めていくことも必要ですから、私も自分自身に3つの言葉のリハビリをしながら、自分の自律性と当事者意識の方も高めていきたいと思います。
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